第74話 直接憑依

「さあ、外道ども、奴らを殺せ!」黒い甲冑に身を包んだ男が瞳を金色に光らせ、右手には血で汚れたサバイバルナイフを見につけたチンピラ3人に命じた。その直後モトが発砲した。黒い甲冑の男は呪文を唱えようとしていたが、腹を射抜かれ、呪文を唱え終わる前に息絶えた。モトの機敏で正確な動きに皆が驚きを隠せなかった。
「何ボケッと突っ立ってる、まだ敵はいるぞ!」モトが言った。ネジは神風の印を結んだ。チンピラたちは皆、聖なる風に切り刻まれて倒れた。

「ツナミ将軍……」ネジがツナミの遺体を見ながら言った。憑依していた悪魔が魔界に戻ったのか、黒い甲冑の男は何時の間にかツナミ武装SS中将になっていた。

「大丈夫か!……って大丈夫そうだな」一行が再びピザを食べはじめているのを見て、SD所属の一般SS隊員が言った。
「お構いなく」ツナミの遺体を見ながらピザを食べていたコースケが言った。
「一通り鑑識作業をさせていただく。よろしいか?」SD隊員が言った。
「どうぞ」トモティンが言った。皆忘れていたが、全員中尉のY4の中で先任はトモティンである。つまりY4ユニットの現在の指揮官はトモティンである。鑑識作業の邪魔にならないように、一行は部屋の奥の床に4枚のピザを広げ、食べはじめた。

「ツナミ中将まで悪魔に憑依されるなんて……」ネジがショックを隠せないといった表情で言った。
「恐らく直接憑依だろう。この世界は悪魔の侵略を受けている。しかもその侵略者の姿は見えない」モトが言った。
「所でさっきから何かピザの減りが激しいなと思ったら、この場にモトさん、トモティンさん、ヤツさん、オレ、コースケ、マサキさん、タクオのほかにもう一人、どえらく大柄の少尉がいるんですけど、誰?」ネジが言った。
「自己紹介が遅れました。マサキさんと一緒に装輪装甲車を運用することになった運転、および整備兵のゴキュー・リーマン武装SS少尉です。よろしくお願いします」ゴキューと名乗る少尉が言った。

「こんな日に着任とは運が悪かったね」トモティンはそう言うと、慌てて持ち出したデスク上の郵便物を調べた。その中にマサキとゴキューの着任辞令があった。(つづく)

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