第72話 悪魔の騎士

「我を受け容れよ」キングーに呼びかける声がする。
「何者だ」キングーが尋ねた。
「余は堕天使エリゴール。魔界の騎士だ。余と契約を結べば力を授けよう」キングーに呼びかける声がする
「よくわからないけど力を授けるっていうのはいい。契約しよう」キングーはそう答えた。同時に表面の皮膚が膨れ上がる感覚がキングーを襲った。意識を取り戻したキングーは自分の肉体が真っ赤な甲冑へと変質していくのを黙って見ていた。そしてキングーは完全にエリゴールに変身した。

ベリスとエリゴールは共通の敵を待った。その敵はY4のメンバー、およびその支援者たちである。武装SSの制服を着たヤツが朝食を調達するため、外に出ると真っ赤な甲冑を身に着けた何者かに火柱の呪文を唱えられた。ヤツはとっさに飛びのくと拳銃を抜いた。真っ赤な甲冑は殴りかかってきた。ヤツはとっさに避けた。ヤツは至近距離から発砲した。銃弾は甲冑の目を貫き、甲冑は倒れた。発砲音を聞いた治安担当の一般SSがやって来てヤツは身柄を拘束された。甲冑は驚くべきことにキングーの遺体になっていた。何を言っても無駄だと感じたヤツはおとなしく留置場にぶち込まれた。

「大変だ、ヤツさんがキングー・アルベルツ武装SS准将を撃ち殺した」いつまで経っても帰って来ないヤツに代わって買出しに行ったトモティンが何も持たずに帰ってきた。
「これにはきっと理由がある。大佐と言う立場を利用して、ヤツに面会し、ついでにキングー准将殿の遺体も見てくる」モトが言った。
「ありがとうございます」ネジが言った。
「ま、年明けにはお前らはオレの指揮下に置かれる。恩の前払いだ」モトはそう言うとSS横浜本部の一般SSエリアに向かった。

大佐の肩書きは予想を上回る効果を発揮した。キングーへのお別れにもう一人の同伴が見とめられたのだ。モトはキングーに悪魔の気配を感じなかった。モトは迷わずタクオを連れて行った。遺体安置所でタクオはキングーに祈るふりをして完全復活の呪文をかけた。キングーの目は再生され、遺体は復活した。

死体がなくなってしまったのでヤツの殺人罪は不成立となり、その身柄は釈放された。(つづく)

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