| 第60話 死人を喰らう話 シュンスケは銃殺刑を言い渡され、処刑はすぐに行われた。顔を壁に向け、両手両足を肩幅に開き、両手をコンクリートの壁につけるよう命じられた。壁に両手をつけた直後、シュンスケの背中を熱いものが貫き、シュンスケは死んだ。 遺体安置所にはシュンスケとマツイの遺体が並んだ。マツイの死後、砂漠の悪霊はシュンスケの肉体を狙っていた。シュンスケは憑依され、屍鬼となった。 「悪く思うなよ、マツイ」シュンスケはマツイの遺体を貪り食った。マツイの遺体に着せられた軍服を奪ったシュンスケはマツイから奪った制帽を目深に被り、基地から出た。日本人観光客の首をひねって殺したシュンスケは衣類と所持金、パスポートを奪うとその遺体を食って人間の姿に変身した。外人部隊で知り合ったチュニジア人マフィアに本物の第三帝国パスポートを売って、偽造の第三帝国パスポートを手に入れたシュンスケは観光客が持っていたパリ発の成田行きのチケットを使って日本に戻った。 「この街なら行方不明者が出ても誰も怪しまないだろうな」変身の効果が切れてきたシュンスケはお台場の物陰で淫らな行為に及んでいたカップルを食い殺し、当座の生活費と変身するための糧を手にした。 「へぇ〜お台場って野犬が出るのか、危ない所だなぁ」カップル惨殺事件の記事を見てコースケが行った。 「本当に野犬だと思うか?」ネジが言った。 「え?どういうこと」コースケがネジに尋ねた。 「人肉を食う悪魔の仕業だと疑わないのか?」コースケが逆にネジに問われた。 「そっか!さすがはネジ先輩、頭いいっすね!」コースケが言った。 「人肉を食う……まさかお台場にゾンビが出るんっすか?」トモティンがネジに尋ねた。 「ゾンビじゃない。多分食屍鬼グールだと思う。元々は砂漠で飢え死にした人間の残留思念が集まって出来た悪霊なのだが、最近俺たちもアフガンの砂漠で戦ってきたばかりだ。もしかすると一度死んだ兵士に取り憑いて日本に入ってきたのかもしれない」ネジが言った。 「だったらもっと早くから同種の事件が起こるんじゃないのか?」銃の手入れをしていたヤツが言うと同時にネジの携帯がなった。 「今度は秋葉原の裏通りで殺しだ。同様に死体は食われていて、所持金が奪われているそうだ」ネジが言った。Y4は現場に向かうことになった。(つづく) 次のページに進む メニューに戻る |