第58話 外人部隊

2008年11月、狂乱していた石油取引市場が平静を取り戻し、高騰していた原油も通常価格に戻った。

今回の市場の狂乱は「ザイオン」をめぐり中東産油国に圧力をかけた米州連合と帝国主義連盟に対する中東産油国の報復だった。

米州連合と帝国主義連盟は傀儡とはいえ中東産油国の独立を認めてきたことを後悔し、再植民地化を推し進めることを決断した。

米州連合の傀儡中の傀儡。イラクに米州連合と帝国主義連盟が布陣した。そして、サウジアラビア北部を攻撃した。

シュンスケ・シャールピング帝国主義連盟陸軍外人部隊曹長は外人空挺第1連隊A中隊の中隊曹長として。サウジアラビア北部の都市ハファール・アル・バティンにある陸軍基地を急襲し、制圧した。

マツイ・フロイント帝国主義連盟陸軍外人部隊軍曹は外人空挺第1連隊E中隊の一員として、サウジアラビアの軍事都市を制圧した。軍事都市はヘリによる急襲には無力だった。

戦闘開始から3日目、サウジアラビアは軍事都市を取り返しにきた。次の目標に移動すべくヘリに乗り込んでいたE中隊は全滅し、マツイはMIA、すなわち戦闘中行方不明になった。

戦闘開始から4日目、外人空挺A中隊は中立国バーレーンの対岸にあるサウジアラビアの都市ダーランの軍事基地を制圧した。また、軍事都市で行方不明になっていたマツイ軍曹は奇跡的に無傷で救助された。彼を除くE中隊の全員は認識票でのみ判別可能なほどの遺体となって収容された。マツイはイラクのバスラにある病院に収容された。

戦闘開始から6日目、外人空挺A中隊はバーレーンのマナマ港を制圧した。バーレーンの海軍は抵抗しなかった。外人空挺A中隊は8日までにカタールのドーハに移動した。

10日目、ついにサウジアラビアが陥落した。UAEのアブダビ沖に駆逐艦ノーフォークとアストン・ヴィラが現れ、アブダビの部隊を攻撃した。外人空挺A中隊はカタールから旧サウジアラビア領に戻り、アス・サルワを攻略した。

12日目、外人空挺A中隊はUAEのアブダビの空港を制圧した。A中隊は抵抗するもの全てを射殺した。その日、UAEとオマーンは帝国主義連盟に敗戦を届け出た。

米州連合はサウジアラビア北部の油田地帯を手に入れ、帝国主義連盟は湾岸地域とサウジアラビア南部を手に入れた。湾岸地域は再び超大国によって植民地化された。(つづく)

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