| 第53話 悪戯 「なぜ記録から陰陽師関連の記述を消したんですか?」マサキが尋ねた。 「出世のためだ。陰陽師となると職務も限られる。俺みたいな冒険好きにとって、陰陽師の軍歴は足かせになりかねない。だから消した」モトが答えた。 「ま、ハッカーの陰陽師じゃあ、出世できないですよね。SS本部に嫌われる」ネジが言った。 「でも僕を悪魔にする理由がわからない!」ハジがいった。 「悪魔どもは高級な悪魔になればなるほど自分が取り憑く相手を選ぶ。不幸にもお前はアスタロトに選ばれたのだろう」モトが言った。 「それでも僕にとっては全く関係のない話なのに……」ハジが涙目で言った。 「イハラ准将は憑依後でもルシファーを利用できると思っていた。しかし、最近はかなりルシファーに影響されている。ま、悪魔に憑依されるということは結局は二つの魂が一つになるという結果をもたらすのだが……」モトが言った。 「じゃあ、僕もアスタロトに侵食されるんですか?」ハジが泣きながら言った。 「誰だって、人生経験で性格は変わる。その程度のことだ。お前が気を強く持てば侵食されても正気を保っていられるだろう」モトが言った。 「少し、元気が出てきました」ハジが涙をぬぐい言った。 「お互い待機中の身だ。さっさと肉を食って、戻ろう」モトは肉を焼き始めた。一行は肉をガツガツ食べると互いの待機先に帰投した。 「あのハジという戦車長、陸軍にいたら身柄をイハラ……いや、ルシファーに拘束され、奴がこの世に呼び出した下魔どもともども利用される恐れがあるな。アツのSS第1戦車連隊第2大隊に転属させておくか」モトはそう言うとコンピュータを駆使して、SS本部からの指令としてハジをSSが陸軍から引き抜いた形で、タッキー・シャラ武装SS大尉が中隊長を勤めるSS第1戦車連隊第2大隊H中隊に転属にした。 「SS本部め、オレを2回も参謀養成所に送ったことを後悔させてやる」コンピュータの知識を参謀養成所で身につけたモトは悪戯をする子供のような表情を浮かべながらパソコンに向かって言った。(つづく) 次のページに進む メニューに戻る |