第35話 激突

「情報部によると、シャムスカ中将は交渉に応じなかったそうっすね」夕食の席でコースケがモトに言った。
「だろうな。だが理由が理解できない。『九州独立』は同じ方面軍所属とはいえ、陸軍第4師団の兵卒・下士官がヘルメットカバーや車両に落書きする文句であって、士官は悪い冗談程度だと認識している。あの冷静なシャムスカ中将が反乱なんて想像もつかなかった」モトが言った。
「あの『ザイオン』は日本語だった。しかも小火器と化学兵器、高性能爆弾、起爆装置の作り方しか載っていなかった。偽物だと思う」トモティンが言った。
「見てたのか?」モトがトモティンに尋ねた。
「『5ちゃんねる』で話題になっていたから見ただけです」トモティンが冷や汗を流しながら言った。

一行が待機すること4日、中部方面軍のエリアを通過した東部方面軍と西部方面軍は大阪と神戸港で激突した。

5日目、東部方面軍が大阪と神戸港を手中に収める。しかし、依然、神戸市内では激しい戦闘が続いていた。

6日目、相変わらず神戸市内での戦闘は続いている。山陰ルートを攻略している部隊は鳥取市内で戦闘を開始した。また、四国が西部方面軍の支配下に置かれていることが発覚した。

7日目、神戸と鳥取が陥落し、西部方面軍は倉敷と岡山を死守する体制に入った。この状況は10日目まで続いた。

9日目、治安維持のため出動した第1艦隊所属海軍歩兵第1大隊を搭載した輸送艦の入港が北海道の北部方面軍から拒否された。

10日目、倉敷が陥落、海軍がイージス艦2隻を前線に投入、瀬戸大橋を封鎖した。北部方面軍の入港拒否はこの日も続く。モトとY4に出撃命令が下る。北部方面軍を脅すのが目的だ。一行は秋田空港まで通常運航されている民間機で向かった。

11日目、大攻勢の日。東部方面軍は一気に出雲〜広島空港ラインまで進軍。四国戦線でも徳島とその空港を占領した。一行は輸送ヘリを一機、東北方面軍から拝借した。これからどうやって北部方面軍を脅すか、一行は思案した。(つづく)

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