| 第26話 コード・ハン(その2) 開戦から5日目、米州連合が突如兵器の価格を定価の181%に吊り上げた。5日目の未明に大韓王国軍が敵の攻撃を受けたのが原因らしい。 参謀本部は資金難から軍艦の投入を見送った。その後、兵器の値段は最大で平時の200%にまで高騰した。しかし、開戦から11日目を過ぎたあたりから兵器の値段は下がり始めた。 幸運にも、スンジンの部隊は敵の攻撃に見舞われたことはない。しかし、他の部隊は予備役兵で戦力を補充している。特に空軍と機甲部隊の損耗は目を覆いたくなるほどである。 そして15日目、スンジンが所属する機動歩兵A中隊は橋頭堡を築くべく、敵の背後の都市を占領するよう命じられた。スンジンの部隊が都市を占領したら、進軍してきた地上部隊と合流し、帰投することになっていた。 しかし、地上部隊は敵の激しい抵抗に遭い、A中隊を見捨てた。スンジンはムジャヒディンの捕虜になった。残りの生存者はその場で後ろ手に縛られ、後頭部を拳銃で撃たれて殺された。 ムジャヒディン側はスンジンと引き換えに大韓王国軍の全軍即時撤退を要求した。国王の決断は揺るぎない物だった。 国王は「大韓王国軍は一切の交渉に応じない」とムジャヒディン側に通告した。 「やれやれ、居場所がわかっているのになぜ俺たちが取り返しに行かないのやら……」部屋でビール片手に緊急放送を見ていたジョンファン・ディクソン大韓王国陸軍特殊攻撃部隊第6大隊長が言った。しかし、大韓王国では国王の決定は絶対である。それに貧しい上に崩壊していた家庭で育ったジョンファンの大韓王国に対する忠誠度はきわめて低かった。そもそも陸軍に入隊したのも奨学金だけでは大学の学費が払えなかったため、学費補助をしてくれる士官育成部隊に所属していたからである。陸軍を除隊しないのも世間は不景気で他の仕事が見つかりそうにないからだ。 「ま、せいぜい見栄を張り続けて貴族も王族も全て消えさればいい」ジョンファンはそうつぶやくとビールを飲み干した。(つづく) 次のページに進む メニューに戻る |