第25話 コード・ハン(その1)

社会主義革命戦線が崩壊した2008年10月、大韓王国は東シナ海にある油田の島を獲得した。大韓王国はこの島を「ハン」と名づけた。

しかし、ハン島はかつて社会主義革命戦線の支配下にあった東トルキスタンで不当に逮捕されたイスラム教徒が「労働教化」の名のもとに強制労働させられていた島だった。

大韓王国がこの島を獲得した時すでに、イスラム教原理主義武装組織ムジャヒディンが水面下で活動していた。

大韓王国の駐留軍が展開すると同時に、ムジャヒディンが武装蜂起した。

大韓王国の王室は揺れていた。第1皇子ヨンチョルは士官学校の1年生で訓練中の身。従軍はできない。しかし、大韓王国の戦争には必ず皇子が従軍するしきたりになっていた。

スンジン・フォン・バイエルラインは現王の姉を母に持ち、父親は朝鮮人ながらも男爵位を持っている第三帝国の貴族であり富豪でもある。スンジンは18歳の時、突然大韓王国に現れ陸軍に入隊した。そして、ムジャヒディンの武装蜂起のときにはすでに上等兵になっていた。

第三帝国の政治学校で軍事教練を受けていたスンジンの基本訓練の成績は独走状態のトップだった。本来だったら近衛師団に配属されるはずだったのだが、スンジンは危機即応旅団を志願した。

スンジンの存在は大韓王国国民の希望の星となった。上等兵スンジンは危機即応旅団の一員としてハン島に派遣された。

ハン島に到着してすぐに部隊は火力不足に陥った。同盟国でありながら非常に不安定な米州連合との関係は「最新鋭兵器の供給拒否」という結論を導き出した。危機即応旅団の機動歩兵は「鉄の棺おけ」と呼ばれるUH−1ヘリコプターに乗せられて前線に送り込まれた。

UH−1HイロコイスII
大韓王国の装備の貧弱さに、スンジンは落胆を禁じえなかった。(つづく)

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