第16話 出頭命令

ヨンチョルが開城でゾンビ相手に死闘を演じていた丁度その頃、朝鮮半島の戦闘から帰国した第1機甲師団第1機甲大隊長アツ・フォン・クプファー武装SS少佐と第1特殊攻撃連隊B中隊長ヨースケ・レーンホフ武装SS大尉がSS本部に呼び出された。

呼び出したのは朝鮮派遣軍指揮官ツナミ・ネルリンガー武装SS中将で、両名を告発したのは朝鮮派遣軍機甲旅団長キングー・アルベルツ武装SS准将だった。

キングーの告発によると、アツ・フォン・クプファーとヨースケ・レーンホフ両名は朝鮮全域の解放を待たずして首都平壌を占領する計画を立て、それを実行。本来我が国に属する予定だった都市の数々を失う原因を作った、とのことである。

「フォン・クプファー少佐、レーンホフ大尉、貴官らは我が国の国益にそぐわない行動をとった。我々は犠牲を払ってでも一つでも多くの都市を支配下に置き、朝鮮半島での権益を最大限得るべきだったのだ。そのことも理解できず貴官らは国際連盟規定による戦争停戦条件である敵国首都占領を行った。貴官らの行動は万死に値する」ツナミが言った。

「ならば法務士官立会いの元、軍法会議を開いてください」アツがツナミに言った。
「そのつもりはない。お前らみたいな腰抜けは我が軍団から追放する。懲罰としてクレンダス軍団に貴官らを異動させる」ツナミが言った。

クレンダス軍団とは東シナ海のクレンダス諸島に派遣されている軍団だが、各地の部隊から追放された将兵からなる掃きだめ的部隊である。

その頃、ツナミ将軍の執務室前では第1特殊攻撃旅団機甲擲弾兵B中隊所属のヤツ・クーバウアー武装SS中尉が壁にもたれかかっていた。また、アツの直属の部下で第1機甲連隊戦車H中隊長のタッキー・シャラ武装SS大尉もヤツの向かい側の階段に座り込んでいた。

そこに丁度、第1特殊攻撃連隊長のモト・スタインホフ武装SS大佐がやって来た。ヤツとタッキーは敬礼を省略した。(つづく)

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