| 第1話 もう一つの2008年 2008年、世界は植民地から暴利を貪る帝国主義諸国「帝国主義連盟」と南米大陸を農作物の買いたたきで手にした「米州連合」、「総統」の意思の下、ドイツから日本までを支配する「第三帝国」、「解放者」の「社会主義革命戦線」の4つの勢力によって別たれていた。 社会主義革命戦線は帝国主義連盟領のインドシナ、米州連合領のフィリピンの共産主義勢力を支援し、武装蜂起を起こさせていた。これらの武装蜂起はことごとく鎮圧されたが、終わることはなかった。 4大国が引き起こす限定戦争は死ぬ必要のない者を無差別に殺し、命運の尽きていない者が大勢死んだ。 2001年、この世界に「悪魔」が現れるようになった。悪魔は戦争が生む命運の尽きていない遺体に宿り実体化した。悪魔は瞬く間に数を増し、4大勢力を脅かす存在になっていた。やがて悪魔は限定戦争の戦死者の数以上に増え、命運の尽きていない遺体を得るために人間を襲い始めた。人類のほとんどが全ての悪魔を敵視し、これと対立した。 しかし人類は限定戦争を続けた。 第三帝国に属する日本では武装親衛隊が魔術師と陰陽師を育成していた。ドイツのバート・テルツとオーストリアのウィーン、第3帝国属領地であるロシアのボリショイにある魔法学院で魔法を学ぶ者もいたが、大部分の魔術師と陰陽師は入隊時検査で才能を見出され、基本訓練を受けながらそれぞれの魔力に見合った術を鍛錬していった。魔術師と陰陽師は一般兵から「闇の騎士」と呼ばれるようになった ヤツ・クーバウアー武装SS中尉は入隊時に陰陽師としての才能を見出され、陰陽道を修得している。そんな彼は東シナ海にあるラジバンダリ島に派遣されていた。 ラジバンダリ島はもともとの領有権が帝国主義連盟のオランダにあったが、1969年、社会主義革命戦線と米州連合の戦いであるベトナム戦争のさなかに米州連合がオランダからラジバンダリ島を強奪した。オランダの属領地軍は米州連合本隊との戦いでラジバンダリ島をたった6日で失った。(つづく) 次のページへ メニューに戻る |